食べ物がまぶしく見える。食欲があるって素敵なことじゃん。あれも、これも、それも、全部おいしそう。
ついに私にも食欲が戻ってきた。同時に量も食べれるようになってきた。
これまでの私は朝食は食べないライフスタイルだったが、漢方を朝に飲むためにも渋々朝食を取るようになった。けれど渋っていたのは最初だけで、すぐに「お腹すいたな…ついでにもう一品」と完全に”食”がメインとなり、朝からキッチンをウロウロする生活になった。
15時頃には「小腹がすいたからおやつ」と言いながら、ポテチやクッキー、チョコやカップラーメンなど、どう考えても太るしかない食べ物を食べていた。けれどこれまで食が細かったこともあり「妊婦だから」という言い訳で全てを許容範囲とみなし、私も夫も寛大になっていた。
ありがたかったのは、それだけ暴飲暴食をしても妊婦界あるある「便秘」という宿命にはなぜか抗える体質で、毎日快便。便秘だけは妊娠中1回もなったことはなかった。
そして夜。あんなに「頻尿で起きてしまう」「眠りが浅くて寝た気がしない」と嘆いていたのに、ここ最近はなんと一度も起きずに朝を迎えるというミラクルを連発している。これが本当の安定期到来、なのか…?
といっても、体調が完全回復したかといえばそうでもなく、今度は“重さ”との闘いに突入した。
お腹がどんどこ前にせり出してきて、重力を素直に受け止めるしかない私は、もはや“2速歩行の牛”状態。ただでさえ短い足が前に出ない。そのため1歩が極端に短い。そして遅い。通勤中歩いていると人の流れを滞留させがちで、ものすごく邪魔になっている自覚がある。「人と一緒に歩く」場合は、100%置いていかれる。いや、正確に言えば、皆が気を使って歩調を合わせてくれるんだけど、それでも気づいたら数歩差がついている。もはや私は「一緒に横を歩く人」ではなく「ドラクエで後ろをついてくる仲間」みたいになる。うっすら寂しい。
そんな風に食欲が戻り、外出が億劫になっているタイミングで、世間は年末年始だった。
今回身重なので帰省はせず、ひたすら家で過ごすお正月。つまり、暴飲暴食とテレビとゴロ寝の無限ループ。お餅美味しい。刺し身は食べれないのですき焼きにしゃぶしゃぶ。たんまり買い込んだスナック菓子をいつでも食べれる。みかんの食べ比べなんかもしちゃう。
そして迎えた1月の健診では、体重計の数字は50kgを軽く突破していた。私は身長が低いため、人生初の50kg台である。年末年始だけで5キロ増えていたことになる。衝撃ではあったが、まあでも私は妊婦である。「いや〜、今まで順調に月1kgペースで増えてたのに、ちょっと増えすぎちゃったかな〜」と軽い気持ちで受け止めていたら、助産師さんが眉をひそませながらひと言。
「ちょっと抑えていきましょうか」
うわ〜…!やんわりとした、でも確実なダメ出し!そうよね、妊婦だからっていきなり5kgはやばいわよね。わかってる、わかってるけど、でも年末年始だったしさ…。あれ、出産前にあと何キロ増えていいんだ…?妊娠中にダイエットなんてできないよね…?でもでも、胎児は順調に元気な訳だし。けれど贅肉でお産が難産になるのは避けたい。
悩むけれども結局何もせず、罪悪感を抱きながら欲望のままに過ごすのであった。
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