妊娠記録<妊娠3ヶ月8週〜11週>

妊娠話

妊娠初期って、色々ハードだ。

赤子が宿っている実感がないのに、つわりという体調不良だけは怒涛に畳み掛けてきて、まるでなにか全く未知な重大な病気にかかってしまったんじゃないかと思えてくる。私ってあぁ、今まで健康だったんだなって思い知らされる。

それなのに安定期に入る前だから、周りにおいそれと愚痴をこぼせない。会社や友人や血縁にだって、不調を隠してとにかく日々が過ぎ去るのを願うしかない。めちゃくちゃ言いたい、けど言えない。

とある日は食欲は旺盛にあった。唐揚げ定食のタルタルソースがけを注文するも、いざ食べ始めると「あれ?私こんなに胃袋小さかったっけ?」とすぐに満腹になってしまった。

数日後、今度は食欲が消え失せる。油で焼くニオイで胸焼けしそう。そばなどの冷たくてつるっとしたものが食べたい。トマト系の酸っぱいものが食べたい。中華粥がどうしても食べたい。

はたまた数日後、食欲は安定に戻ったが今度は常にげっぷが出るようになる。地味にキツイ。打ち合わせ中にげっぷが出てしまわないかずっと緊張する。しないように変に息を止めたせいで、余計大げさなげっぷをしてしまい、恥ずかしさで死ねる。それと同時に口臭の不安にも襲われる。今の私の吐息は公害だ。食事中以外はすぐさまマスクをしてごまかすけど、最近歩くとすぐ息切れするため、呼吸が苦しい。

本当につわり症状のオンパレード。

私は比較的軽い症状ばかりであったが、いかんせん「つわり」のお試しフルセットかのように、あっちの症状、こっちの症状を一通り体験させられた。そのお陰で(?)世の妊婦のつわりの辛さを薄〜く広〜く理解できるようにはなった。眠い、息切れ、立ちくらみ、頻尿、よだれが出る、ポテト食べたい、気持ち悪い、腰が痛い…あとはなんだっけ、ささやかすぎて覚えてない。

そんな私を横目に、夫が元気なのが解せない。

なぜ私はお前の子を宿し体調を崩しながらも働いているのに、お前は何一つ変わらずいられるのか。仕事も身体も何も犠牲にしなくていい男が憎い。たいして収入格差もないからこそ余計に腹が立つ。「お前の身体に産む機能が携わっていないから、私が仕方なく産んでやるんだからな」というもはや逆ハラスメントに近いマウントを夫にひたすらしていた。

夫にできることは私の介護くらいしかないため、日頃からSNSで見た「ありえない夫」「今どき常識外れなパパ」といったネタを共有し「こんなことある?信じられないよね」と世間一般の評価を植え付け、妊婦にすべき対応を学ばせた。

つわりとは別に、割と初期から胸が大きくなってきた。

Bカップでずっと生きてきた私にとって、胸が「垂れる」という感覚はまさに未知との遭遇だった。そうか、だから世の女性は夜もブラをするんですね。日中も今まで使ってたブラジャーがきつくなり、呼吸が苦しくなる。耐えかねてグンゼの胸を締め付けないノンワイヤーの肌着を買ってみたけど、歩いたり階段をのぼるたびに胸がゆさゆさ揺れて早々に封印となった(家の中だけなら問題なし)。

これだけ身体が変化をしていて直に異常を食らってるのに、それでもなお「妊娠してる実感」は、正直湧かなかった。

「赤ちゃんがいますよ」って言われてエコーで見ても、え、本当に?この丸い細胞が?とにわかには信じられない。これが私とは別個体のもう一人の人間になるのは知っているけど理解ができない。自分のお腹の中に、別の生命体が巣食ってるって?そのせいで最近具合が悪いって?いやいや計画的に妊活をして受精をしたんだけれども、どうにも自覚がないのはなぜなのか。

エコーを毎日見たいと思うのは妊婦あるあるなようで、最近ではスマホでエコーが見えるように機械をレンタルしてくれるサービスもあるらしい。借りるか割と本気で悩んだ。この前の腹痛で流産していないか?9週目、12週目の壁を乗り越えられるのか?

わからないことばかりな上に、不安ばっか。それに加えて具合が悪い。それを孤独に抱えなきゃいけない。妊娠の喜びで浮かれ足になったのはつかの間、あとはずっとずーっと揺れていた。

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